ベルギーから電車でいろんな国に行き、今、日本を旅しているというベルギー人カップルを迎えて、2日目。
私は、朝からレッスンがあったので、彼らは自分たちで、鹿児島のメッカ、桜島へ行くことにしているらしい。
どうせだから一緒に朝ごはんを食べようと、うちに朝9時ごろ来る。
家に来て、そうそうFreddyが言った。
Freddy「Jean,あのね、実は、僕はとてもからだが大きいだろ。
昨日、教室のとても小さいトイレに入ってるときに、あまりに狭すぎて、ふらっとよろけたんだ。そのときに、パイプをつかんだんだら、パイプが少し裂けてしまって、水が少し漏れちゃってるんだよ。ごめん・・」
Jean「もーー・・・」
なんだか、Freddy,こわもてのくせに、まぬけキャラなんじゃないの??
と思いつつ、みんなで朝ごはん。
和食スタイルの朝食(ご飯、味噌汁、玉子焼き、ウィンナー、ふりかけ)を作ると、とってもジャパニーズだね、と言っていた。
そこで、彼らが注目していたのは、娘用に買ってある、ふりかけのパッケージ。
こんなのしかなくてごめんね、と言って出したプリキュア(小さな女の子が好きなキャラクター)が載っているパッケージにとても興奮しているので、
「えーこんなのもあるよ」と、娘へと、山口のおじいちゃん、おばあちゃんから送られてきた、レトルトカレーやら、コーンスープやらの、あんぱんが載っているパッケージを見せると、
「なんで、日本は、こんなかわいいパッケージがあるんだよー!」
さては、おぬし、やはり、ヨーロッパおたくだな?
と思っていると、
「僕は、日本のアニメの「なると」が大好きなんだよ。」
と、なるとグッズらしい、小銭入れを見せてくれた。
日本の30歳の大人は決して持っていない、プラスチックのかえるの形をした、小銭入れ。
まぁ、娘のレトルト食品で、こんなに盛り上がる会話ができてよかったわ。
フレディは、アンパンにとても興味を示しており、
「彼はいったい誰なんだ?」
とか、
「このおじさん(ジャムおじさん)はどういうポジションなんだ?」
とか、
「アンパンマンとは、どういう意味なんだ?」
とか、日本のサブカルチャーにとても興味を示していた。
私の今日の仕事は、3時で終わり。
3時からは、彼らに鹿児島観光をしてあげようかな、と思い、3時に桜島から帰ってきて、うちのマンションで待ち合わせというプラン。
予定通り、3時ごろ、マンションに帰ってきた二人。
ヨーロッパ人は、時間に対しての感覚が日本人と近いと思う。
まあ、遅れても10分、15分とかね。
国によっては、1時間、2時間遅れるのは当たり前という人たちもいるからね。
午後からは、薩摩の藩主だった島津家の別荘だったという磯庭園に行き、となりのビーチにも立ち寄ろう、というプランだったのだが、帰ってきたFreddyが言ったのは、
「Jean,あのね、実は、桜島で観光しているときに、ズボンが破けちゃったんだ。僕のサイズが買える洋服やさんはあるかな。」
だって。
またまた、まぬけキャラじゃーん、Freddy。
ということで、磯庭園はキャンセルになり、ユニクロへ。
Freddyサイズの2Lというのがあり、試着して、チノパンみたいなやつを買ってた。
自分のサイズが合って、とてもうれしそうなフレディ。
そして、
「漫画がついたTシャツがあった!」
といって、うれしそうに試着していたが、
「小さすぎた・・」
とがっかりしていた。
磯庭園に行く時間がなかったので、かねてから行きたいと思っていた、友達の輸入雑貨の店に行くことにした。
眺望がいい場所にあるということで、外国人がいたら、連れてきてねといわれていたからだ。
「蒼い空」という名前の小物雑貨が置いてある、友達の素敵なマンションの中の店で、コーヒーを飲んだり、鹿児島の眺望を楽しんだり、自分にかわいい髪のゴムを買ったりした。
夜は、私が最近よく行っている鳥の七輪焼きやさんへ。
娘も、すでにフレディが大好きで、肩車なんかしてもらったりして。
ベルギーでは、牛と豚は、生で食べるが、鳥は決して生で食べてはいけないものらしい。
日本では、牛と鳥(特に鹿児島)では、生で食べてもいいが、豚は決して生で食べてはいけない、と普通は思っている。
絶対、おいしいから、と七輪焼きやさんで、中身は少し生の地鶏焼きを勧めると、やっぱり
「おいしい!!」
と言ってくれて、うれしかった。
「ママに生の鶏肉を食べたと言って、ショックを与えるよ」
ホルモンなどの、もつ系も食べないらしいが、鳥の皮みたいだよと言って勧めると
「んーーいいね!」
と上機嫌。
ホルモン、地鶏のころころ焼き、せせり、いか、あらびきウィンナー、野菜盛り
というメニューで一通り、食べた後、
「なんか、好きだったものをもう一回頼めば?」
と言うと、
「じゃぁ、初めからもう一度同じものを頼みたい」
ベルギー人が来たということで、特に鹿児島では珍しいから、店のオーナーも、今日はいいしいたけがあるから、とか、おもちを食べてみるかい?とか、サービスしてくれた。
ベルギーでは、しいたけは、高級食材らしく、高級レストランでしか食べられないものらしい。
こんなに大きなしいたけをただで食べた、と友達に自慢したい、と言っていた。
今日は、僕たちがおごる、と言って、おごってくれた。
夜は、家に帰って、ネットをしたり、お互いに写真を見せ合ったり、だんなが帰ってきて紹介したりなど。
フレディと話してるときに、近くでフレディの顔をよーく見てみると、とてもきれいなブルーの青い目をしていて、
「この人、ひげ剃って、やせたら、たぶんいけめんだな」
とあたしなりに思っていたのだが、フレディたちが今までの旅行の写真とか、昔の写真とかを見せてくれてたときに、フレディとアナリースが出会ったときの写真を見て、やっぱりね、って思った。
アナリースは、なんか昔のJuliette Lewis uewisshttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%82%B9
みたいだし、Freddyは、あたし好みの長髪のいけめんだしさ。
今も二人で、世界を旅しながら、一緒に過ごしてるっていう事実に、単純に、素敵だなと思った夜であった。