地球一周クルーズ「ピースボート」回想録 シンガポールセレブ

シンガポールはきれいなところだとは聞いていたが、ここ日本?というくらいハイテクなところだった。

フィリピン、ベトナム、と回ってきたあたしは、だんだん日本の生活が恋しくなってきた頃で、しょせん日本の女の子(当時29歳、ぎりぎり女の子と呼ばせて)、今回はセレブでいこうと決めていた。女4人のセレブな旅の始まり。

まずは世界3大がっかりという噂のマーライオンを見に行った。
地図を片手に地下鉄に乗り、通りがかりの人に道を聞き、しょうもないおしゃべりできゃっきゃ言いながら目指すマーライオン。
彼ははあっさりと見つかった。
大きな通り沿いの川べりに、水をがばがばはきながら、観光客に囲まれて。

うーむ、写真どおり。とりあえず君はシンガポールの象徴だ。世界3大がっかりと言われようが、にせものがあちこちに作られようが、あたしは君に会うためにここに来たのよ と、自分を無理矢理奮い立たせ、計画通りに行動できた自分たちに満足。

ランチは、雑誌に載っていたチャイニーズレストランへ。
地図を見ると歩いていけそうだったから歩いた。
あたしは超方向音痴だけど、人に道を聞く度胸はある。
地図をじっと1人見てるより、誰かに道でも聞いてちょっとでも会話をしたほうが、その国の人が親切だとか、どのくらい英語が通じるかとか、いろんなことがわかる。
一生懸命地図をひっくり返しながら見ているミッキー(同室の女の子)をほっとき、3人の人に道を聞いて、やっとレストランへたどりついた。
シンガポールの人はとても親切で丁寧、そして都会人ぽく余計なおせっかいもなく、さらっとしていた。

たどりついたレストランはちょっと高級なおしゃれなチャイニーズ。
ああ、日本が恋しい。
毎日髪を巻いていた日々。
今日はどのスーツを着ようかと迷ってた日々。
ワンピースを着てホテルのランチを食べに行っていた日々。
愛車でオレンジペコーを聞いていた日々。。
ああ、日本に3日だけ帰りたい。

そんな思いをさせられたレストランで、飲茶を食べる。
美味。あたしは飲茶が大好きだ。
飲茶の食べ物が好きというか、飲茶のシステムがとても好きだ。色んな食べ物をワゴンに積んであたしのところに運んできてくれる。
おいしいものだけを選ぶ。お姫さまになった気分。いつもはTシャツに短パン、ビーチサンダル。4人部屋に2段ベッド。バスタブなし。船の中はそんな生活なので、今日くらいはセレブに、お姫さまに。うふ。

次に目指すはリトルインディア。その名の通り、小さいインド。
シンガポールから15分でインドへ来たみたいでとても得した気分。

インド人が経営する小さい店がずらりと並ぶ。道行く人もすべてインド人。

ここでの目的はヘナと呼ばれる、にせタトゥーをすることだった。
はやりものが好きなあたしは、カナダに留学しているとき、いけてる女の人が腕や足にタトゥーを入れてるのを見て、あこがれた。
あたしが大好きだった大学のアメリカ人の先生も、足の指に蝶々を彫っていて、これまたあこがれた。

でも、日本では、刺青とはやくざのしるし。
あたしの好きな温泉にもよく「刺青お断り」と書いてある。

自分がおばあちゃんになったとき後悔するのを恐れ、何度かリサーチしたけど、あきらめた。そんなあたしのタトゥーへのあこがれが叶うのが、ここ、リトルインディア。特殊な液を使い、3週間くらい本物そっくりなタトゥーが体のどこにでも入れられる。

やっている美容院はすぐに見つかり、500円だというのですぐにやってもらった。蝶々にしようか、エンジェルにしようか、ハートにしようか、と考えていたが、インド人のお姉さんは何も聞かず、インドらしい草の模様らしきものを腕に書いてくれた。

次の目的は、ハイティー。
それは、ケーキやクッキー、サンドイッチなどがバイキングで食べられるという、シンガポール特有の豪華なティータイムのこと。
スタッフお勧めのホテルを目指し、3人の人に聞いてたどりついた。セレブなホテルでセレブなティータイム。

周りにいるのはセレブなマダム達や、奥さんに優しそうなリッチなだんな様方。
そんなセレブな幻想を抱き、うっとりと帰船。

日本からシンガポールに旅行したら、きっと、なんだ、日本と同じじゃん、としか思わないだろう。
日本から少し離れ、恋しい時期に行ったからこそ、楽しめた。

結局人間なんて、ないものねだり。
日本にいれば、日本の批判。
海外に行けば、日本最高。

今あたしは日本を離れてるから、やっぱり日本って最高だねって思うのだ。

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