2005年11月14日、ケニア上陸。
迎えに来ていたバンに6人で乗り込んだ。
船の前でむーんとした暑い空気と、ドライバーのベンと、ガイドさんのヨッシーと共に、野生動物がきっとうじゃうじゃいるはずだと思われる国立公園へ。
ツアボ国立公園はケニアで一番大きい国立公園。
というのは聞いてたけど、ヨッシーが、
「えっと、ちょっと数字は度忘れしちゃったけど、四国よりは大きいです。」と。
四、四国。。
あ、あたしだって、うちの近所の公園と同じだとは思ってないけど、四、四国ですかと、初めからため息が出るほどのケニアの旅の始まり。
窓からじゃんじゃん入ってくるほこりにまみれながら、あたしは今ケニアにいるんだと実感したとき、ほんのちょっぴりだけ、感動で涙が出た。
ケニアなんて、ほんとテレビの中の世界だと、普通の女の子らしく思ってたから。
バンから見る町を見て、まず思ったこと。
ここにある建物は、あたしでも作れるかも。。
だって、そこら辺の木を4本立てて、その上に布をかけて、その下で、服とか雑貨とかを売っている。とってもシンプルライフだ。バンにあたしたちが乗っているとわかると、子供たちは手を振ってくる。歓迎ムード。
2時間くらい走ったところで、お土産やさんに寄った。
入り口付近にあったパレオを眺めてたら、運転手のベンが、
「プリティ?」
と言ってきたので、
「うん」
と言ったら、
「ハウマッチ?」
と聞いてくる。
いや、あたしは知らないよ、あたしは客だよ、と思ってたら、
「40ダラー、オウケイ?」
あれ?君はベンじゃない?
普通の店のおっさんだった。
うぬぬ、ケニア人を見分けるのは難しい。
そっからそのおっさんから逃げられなくて、結局15ドルまでねばってオレンジのきれいなパレオを買った。今考えると高い。
そして、3時間半くらいかけてツアボ国立公園に着いた。
ベンが車の屋根を開けるから一度車から降りろという。
「わ、これがうわさのサファリカーね!」
と、1人喜んでいたのだが、ベンがうんうん言いながらオープンカーにするのにてこずっている。
仲間のドライバーを呼び、二人でうんうんして、OKだと言うから、これはあやしいと、チェックしたら、ロックされていない。
振動が強ければ、屋根がばたんと閉まるということも十分ありうる。
OKじゃないでしょーと思って、ほかの日本人にも言ったが、みんなどうすればいいかわからない。
「ベン君これOK?」
と聞いたら、またもや、
「OK!」
うーん、とても適当な国だ。
しかし、どうしようもない。屋根が落ちませんようにと、願いながらゲームサファリをスタートした。
国立公園というか、まあ、言えば、人工的なものが何もないただただ広い広い、大地と植物と動物とあたしたちだけ、そんなとこ。まずはこの四国並みの公園にただ圧倒される。
しかし、揺れる揺れる。
気分はジェットコースター。
そして、すぐ頭上の屋根は落ちてくるかもしれない状況。
ケニアという国を体で十分感じながら、野生の動物を探す。
象、きりん、しまうま、バッファロー、インパラ(鹿っぽい)、ガゼル(鹿っぽい)、ディックディック(ミニ鹿っぽい)、ヒヒ(ライオンキングの長老そのもの)、いぼいのしし(ライオンキングのまぬけなキャラのやつ)、だちょう。




とても印象深いのは、ほぼ全ての動物が、群れで行動してたこと。家族で行動する動物が多い。
象の赤ちゃんは、お母さん象の後をとことこと歩いてるし、ひひの赤ちゃんはお母さんひひのおなかにぽちっとくっついている。
1人で旅をしているあたしには、動物たちがとても愛情いっぱい幸せいっぱいに見え、またそれが自然な姿なんだと実感した。
感動のまま、ロッジへ。
そして、このロッジがすばらしい。プールがある。
ブランコがある。
ヨーロッパ人夫婦がプールサイドで本を読んでいる。
部屋は一個立て。
二人部屋なのにダブルベッド3つ。
ついさっきまでのサバイバルサファリをすっかり忘れ、セレブな気分に浸る。
何よりも心に残ったのは、レストランの前に水呑場があって、そこに動物が水を飲みに来ること。
あたしたちは、ランチを食べて、その横で象の親子が水を飲んでいる。日本とケニアが隣り合わせでランチを食べているようだ。
その後、象の孤児院という場所に行った。
ケニアでは象牙を取るため密猟が行われており、親を殺された小象たちがその施設で育てられている。全部で24頭いた。
大体人間でも動物でも、子供というものは無条件でかわいい。
50ドルを払って一匹の象の里親になった。
一年間自分の子供の成長記がメールで届くらしい。
あたしは心臓病をもっているために治療費がかかるという、ムウェイガという象の親になった。
人間の親になる前に、象の親になったのはどうかと思うが、何年かたってムウエィガが自然に帰れる日が知ったとき、またケニアに来たことを改めてよかったと思うかな、と思った。
そして、夜。
ヨッシーを誘ってホテルの豪華ディナーを食べながら、ケニアに17年行き来し、世界一周クルーズに5回参加している彼が言ったこと。
人との出会いが自分を作っていく。
そしてこの旅はすべてのきっかけになるだけだ。
その後は自分で作っていくんだ、と。
安そうなTシャツを着ている彼の目はきらきらに輝いていた。
あたしも中身が輝く人間になりたい。
夕陽に浮かび上がる木々のシルエット、満天の星空に超メガ級流れ星、動物たちと迎える朝日、あたしの見たケニアはロマンチックできらきらしたところだった。




