運動会

子どもがいる方ならおわかりだと思うが、ここ一ヶ月ほどの話題は、「運動会」であった。

JECには、幼稚園から大学生まで、どの学校の生徒もいるので、

中学生、高校生にもなると、

「あー、運動会の練習で疲れたー」

とだるだるの様子で、レッスンに来る。

小学生は、まだかわいくて、

「先生、僕、紅白リレーで走るから、見に来てよ」

などと言う。

そういう光景を毎年他人事として聞いていたのだが、今年から娘が幼稚園に通っている関係で、ついに私も運動会に本格的に参加することになった。

幼稚園といっても、まぁそれは本格的なもので、小学校の校庭を貸切って、広い校庭で行われる。

私は、子どもを相手に英語やらチアやら教える仕事をしているわりには、幼稚園の先生のようなしぐさは苦手である。

こう、子どもを相手にして、

「はーい、みんな、元気いいね~! そーれ、いくよ~~~

とかいう、歌のお姉さんのようなしぐさはなんだか恥ずかしくて、いやなのである。

あんなに高くてかわいい声は出せないし、どちらかといえば、

「あのねぇ、大人になったら、いろいろと世間は厳しいんだよ。」

と、フツーに子どもと語る。

それを、幼稚園の運動会に行くと、

「はい、保護者の方も、一緒に準備体操をしましょ~~~

と幼稚園の若い先生に言われ、親たちは、子どもたちと一緒に体操をしないといけないわけで、
普段はスーツ着て会社で働いているパパたちも、子どもたちと一緒にディズニーの曲に合わせて、準備体操のダンスをしないといけないわけで。

それを横目でこっそり見て、私は心で笑ったりなんかしている。

そういうことを、きっと、みんな心でしているんだろう。

個人的に私がとても楽しみにしていたのは、人生でも楽しみにしていたと言える、親子リレーである。
子→母→父
という順番で走る。

私は、子どものころは、まぁまぁ足は速かった。
うちのパパは、運動会のときはヒーローだったらしい。(と聞いている)

が。

スタートの娘、びりで走ってきて、ママにバトンタッチ。

ママ、運良く、転んだ人たちを2人抜かす。

パパ、速かったけど、誰も抜けず。

ということで、4位。

うん、まぁ現実はこんなもんでしょう。

運動会前に、走るのが速くなる、という、子どもに大人気の運動靴「駿足」を、山口のおばあちゃんに買ってもらい、

娘「あんちゃん、あの靴はいて、なんだか、走るのが速くなった!!」

と意気込んでいた娘であったが、当日、

「なんか、遅くなっちゃった・・」

としょげる娘を、

「大丈夫、大丈夫」

と一生懸命励ます大人たち。

しかし、後日、娘に

「あんちゃん、運動会、一番何が楽しかった?」

と聞くと、

「親子リレー」

と答えたところを見ると、まぁ、参加することに意義あり、ということなんでしょう。

その後、おゆうぎやら、組体操やらあり、いろんな競技があり、結構楽しかった。
幼稚園の先生たち、本当に大変だったと思う。
私は、用具係だったが、ここまでしていただいて、というくらい、ご丁寧なご指導があった。
本当に、大変な仕事だ。お疲れ様です。

しかし、娘たちが組体操をするのを見て、感動し、号泣していた担任の先生。
その涙よ、運動会のお疲れを吹き飛ばしてやってくれ。

前日から風邪でダウン気味だった私に代わり、うちの母がお弁当を作ってくれ、家族みんなでなんとか切り抜けた、行事であった。

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